ションヘル生地とは?インポートに負けない日本の生地
@2021年4月29日 更新
ションヘル織機は、現在主流となっている織機とは違う風合いの生地を織ることができます。
現在の織機で織られた大量生産の生地ではなく、圧倒的に時間をかけて織られるのがションヘル生地です。
ションヘル生地で織られた生地には独自の風合いがあり、現在でもオーダースーツの生地として人気があります。
本記事では、そんなションヘル生地について書きましたので、参考にしてください。
1. ションヘル生地とは?
一般的にションヘル生地とは、日本屈指の毛織物産地である尾州(愛知県一宮市周辺地域)で、ションヘル織機を使用して織られた生地のことを言います。
元々ションヘル(Schönherr GmbH)織機はドイツのシャトル織機のことで、非常に古く明治頃~1960年頃まで主流でした。現在では廃盤となっており、とても貴重な織機です。
日本においては、尾州で使用されていた国産のシャトル織機がドイツのションヘル織機に似ていたことから、ションヘルと呼ぶようになりました。
つまり現在では、尾州をはじめとする専用のシャトル織機で織られた一部の生地、もしくは現存しているドイツ製のションヘル織機で織られた生地のことをションヘルと呼びます。
シャトルとは、織物を織る際に経糸(たていと)の間に緯糸(よこいと)を通すのに使われる道具のことです。このシャトルが織機の左右に飛び交い横糸を掛けます。
1-1. ションヘル生地の特徴
ションヘル生地の最大の特徴としては、柔らかくて風合いがあり、色がよく出た質感なことです。また、立体的でナチュラルストレッチの効いた仕上がりとなります。
ションヘル織機は、現在主流となっている高速織機と比べて約5分の1も遅い速度で織られます。高速機が1日約50m~100m織るのに対し、ションメル織機は約10m程度です。
織るのが遅いことが決して悪いことではなく、スーツ生地としてはむしろ好都合でもあります。
織るのが遅いということは、その分生地に負担を掛けずに織ることができ、イメージで言えば高速機よりも手織りのような生地感となります。そのため、縦糸(経糸)にかかるテンションが非常に弱く、柔らかく織り上がります。仕上がりの風合いも出やすいです。
ションメル生地は海外からの評価も高く、海外バイヤーもションメル生地を調達するために来日するほどです。
2. ションヘル織機で織り上げた背広地
2020年秋冬から新しく「ションヘル織機で織り上げた背広地」の取り扱いを始めました。
この生地は前述した日本屈指の毛織物産地である尾州(愛知県一宮市周辺地域)で織られている生地です。
生地の質感はとても良く、海外のインポートブランドにも負けない質感の良さです。海外の生地だけではなく、メイドインジャパンの生地を使ってスーツをオーダーしたい方にもおすすめです。
生地の箱はサルトクレイスのオレンジレーベルと同色です。中央の絵も可愛らしいです。
紺やチャコールグレーの定番カラーは当然取り揃えています。イタリアの生地ほどではありませんが、程よい光沢感があります。生地の厚みも程よいので、秋冬春のスリーシーズン使うことができます。
無地は当然使い勝手が良く、セミワイドカラーの白やサックスブルーのシャツとも相性抜群です。
ピンストライプの生地もビジネスシーンでは根強く人気です。
ションヘル生地とピンストライプでスーツをオーダーすれば、長い間活躍してくれるスーツとなります。
2-1. 価格
ションヘル織機で織り上げた背広地の価格は以下の通りです。
- オレンジレーベル:
¥49,000-(税別) - ブルーレーベル:
¥69,000-(税別)
※フォーマル生地は除く
いずれのラインナップにおいても価格設定は現実的で、オーダースーツ初心者の方でも手の届く範囲です。
私たちサルトクレイスの店舗では生地のサンプルをご用意しているので、実際に見ながらご相談して頂くことも可能です。
2-2. 生地選びのコツ
オーダースーツの楽しみである生地選びですが、どのように選んだらよいか頭を悩ませることも多いです。
選び方のコツとしては、以下を参考にしてください。
- 好きな色や柄の生地を選ぶ(ブランドから選ぶことも)
- 用途に合わせて選ぶ
- 着用回数は少ないが勝負着を
→高級感あるウール100などの生地を - 毎日ガシガシと着る、所持着数も少なめ
→耐久性やストレッチのある化学繊維混の生地 - 毎日着るがローテーションで着用頻度は週2回以下
→ウール100の中でも繊維や糸が細すぎないものを
当然ですが、毎日着るスーツでもションメルの生地で作ることができます。
是非一度ご相談ください。
オーダースーツ専門店
SARTO KLEIS
高橋
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