Kynoch(カイノック)ヘリテージツイストのスリーピーススーツ
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
大阪・京都のオーダースーツサロンサルトクレイスの髙橋です。
前回はKynoch(カイノック)について書いた。一ヶ月タキシードばかり着ていたがここに来てKynochを着たい欲が増してきた。
久々に着たKynochを紹介していきたい(直近着用は7月。季節を考えると頭おかしい)
グレンプレイドのスリーピーススーツ
当時を思い出すととにかく硬めのグレンプレイドを探していたように思う。そこで目についたのがこの生地だった。
光沢が強く柔らかめの生地の人気が強い中、光沢がなく硬い生地を選んだのはやや性格が現れているかもしれない。
スーツのようなドレスライクな雰囲気は少ないので、デザインをフォーマルなものを意識したデザインを取り入れてみた。
大きく開いたフロントカット
フロントカットはジャケットのボタンから裾までのシルエット。やや言葉では伝わりにくいかもしれない。
大きく開いている。フロントカットは前から見たときのジャケットの丈の長さに与える印象を大きいし重要な要素だ。あまり開かず閉じているとやや重厚感が出るし丈は長く感じる。
逆にフロントカットが開いているとややスッキリして見える。
どうでもいいかもしれないが私の普通のスーツの好みは閉じ気味の方。
さてこのジャケットはフロントカットが大きく開いている(提案の際もここまで開いているものはしたことがない)さらに着丈を長く取っている。その結果やや燕尾服を思わせるような雰囲気のシルエットになっている。かなりフォーマルなディティールだ(あくまで燕尾服とは全く異なる)
ノッチドラペルと下襟のカーブ
フロントカットはかなりフォーマルなディティールなのだがラペルはノッチドラペルなのでフォーマルな仕様ではない。カジュアル化が進む中ではノッチドラペルがあるようなテーラードジャケットはフォーマルな部類になるのだろうが、しっかりとフォーマルなのであればピークドラペルが適している。
さらに下衿は釦位置までややカーブした作りになっている。衿にボリューム感を出すことができるがこれもフォーマルではあまり見ない仕様である。
その他のディティール
その他には
などはフォーマルな要素を取り入れている。着こなし的にはセミワイド・ダブルカフスのシャツを合わせるなどやはりカチッとしたやや決め過ぎな程度のスタイル。
ここで忘れてはいけないのが、Kynoch(カイノック)ヘリテージツイストを使っていること。カントリーっぽさ、スポーツっぽさを持っているのである。
タキシードを一ヶ月着続けた私でさえもこのデザインで黒などで光沢の強い生地であれば、着るのをややためらうだろう(保証はない)
カジュアルな要素をしては
ピックステッチは思っていた以上にわかりにくく正直笑った。
トラウザーズの裾もシングルにしたいなと今は思っている(当初はストレートチップを履くことを想定したので…。ブーツを履くならシングルでもいいかと)
コンセプトの見えにくい一着
我ながらコンセプトの見えにくいなと感じる一着である。
断っておくが、かなり気に入っている。
色々試せたことも多いし、新しい好みもわかった。
最大の難点は通年着るには尋常ではない精神力が必要であるということ。
サルトクレイス谷町店 髙橋