「トラッド」なスーツって結局なんだろう。

いよいよ気温も下がり衣替えのシーズン到来ですね。
スーツ上下をカッチリと着こなすビジネスマンと、ドレスカジュアルに特化した企業様と二極化したシーズンになりそうですね。
本日はスーツの根源である、「トラッド」について。
業界人の間や流行期に敏感であった世代ではよく聞く名称ですが、一体「トラッド」って何を意味するのでしょう?
一般的な「トラッド」の定義とは
トラッド(=トラディショナル)スタイルとは、和訳すると「伝統的な」という意味合いになり、ルーツは英国紳士の着こなしにあります。
👨「今日の服装なんかトラッドやなぁ~」
👨「今日の服装なんか伝統的やなぁ~」
となる訳ですね。
ウール生地のスリーピーススーツに身を包んだタイドアップスタイルで、グレンプレイドといった伝統的な柄を配したスーツを身に着けることが大きな特徴として挙げられます。
ちなみに、この伝統的な英国の着こなしがアメリカへと伝わり、独自の進化を遂げたのがアメリカントラディショナル(=通称:アメトラ)です。
このアメリカントラッドも日本独自の解釈で普及しました。
僕自身は世代の真ん中ではないのでお客様や先輩や店主からこの時代の服装術を学び試行錯誤しておりました。
紺のジャケットではだめなんです。
紺のブレザーでなければ。
厚手のデニムやチノパンにも対応できるブレザーが定義となりますね。
トラッドスタイルの影響は
日本でトラッドと言えば石津謙介氏が有名ですが、80年代に強い影響を与えた御方です。
トラッドスーツはやがて、本質を求める各界のVIPが愛用する着こなしにまで成長しました。
大きく分けると、アメリカン・トラッドとブリティッシュ・トラッドがあります。最近では、もっと細分化されており、各国のトラッドが形成されてますね。(ムズカシィィ。)
王道であるブルックスブラザーズは、Ⅰ型とも呼ばれるナチュラルショルダーで、3釦中1つ掛け段返り、アウトフロントダーツ(上着前ダーツ)無しのセンターフックベントのボックス型スーツが大きな特徴でした。
アメリカ特有のボックスシルエットですが、現代でも長きにわたって愛されております。(デントウハ オワラナイ)
近年の「トラッド」な着こなし術
現代では様々な定義が入り組み、発信方法も個々によって様々な風潮になりました。
大きなポイントはコーディネートの一部に各国の「トラッド」を埋め込むスタイリングがメインになっておりますね。
王道は少しコスプレに見えてしまう傾向があるので、オーダーであればシルエットを少し変えてみたり、ドレスシャツを着ない方はネッカチーフ等でフレンチっぽく首周りを演出してみてはいかがでしょう。
また世代によっても「トラッド」の着こなしや気分は変わってきますので、色や素材を大きくハズさない、もしくは3色以内で全身をまとめると統一感は増します。
若いお客様は判断材料が少ないので、シルエット重視の「トラッド」も良いかと思います。
スタンダードで在ることを理解した後に、ご自身で自由に解釈すると良いでしょう。