キュプラ裏地のスーツは夏は涼しくて冬は温かい?メリットやデメリットも紹介!

スーツやコートの裏地にはポリエステルやキュプラが多く使われています。
今回は高級感もあり吸放湿性に優れている「キュプラ」について詳しく解説いたします。
特にキュプラはウール素材のスーツに非常に相性の良く、オーダースーツやハイブランドスーツに多く採用されています。
ぜひスーツ作りの参考にしていただければと思います。
キュプラとは
キュプラは再生繊維と言われており、現在はSDGsとして注目をされている素材になります。
スーツの裏地に使用されることが多いキュプラは、レーヨンと同様に再生セルロースと呼ばれる繊維です。
綿を収穫した際に採れる綿の種子の周りの短い繊維をセルロースといい、酸化銅アンモニア溶液を使って、溶解させてから繊維にします。
キュプラのメリット
まずキュプラの最大の特徴が、とても柔らかく、しなやかという点です。
潤滑性に優れており、身につけると人体を包んでくれます。
まずキュプラのメリットをご紹介します。
- 吸湿、放湿性に優れている
- 滑りが良く服地を傷めない
- 光沢・高級感がある
- 静電気が起きにくい
吸湿、放湿性に優れている
衣類に付着した水分や汗を大気へ放出する作用があるためコットン同様に熱をためることなく常に一定体温で衣類を羽織る事ができます。
滑りが良く服地を傷めない
カジュアルとは違い、ドレスクロージングに欠かせないのが着心地。
こちらを大きく左右するのが潤滑性と布地を内側から傷めないという点です。
オーダーメイドであれば最低でも袖を通す袖裏はキュプラ仕様でないと引っかかり、着脱の際にアームホールの脇下や背中心の破損に繋がりかねません。
光沢・高級感がある
高価なドレスでも使用されるほどの品質のため、見た目の光沢には定評があります。
シルクと対等の艶を持っておりパーティーシーンでは最適な素材です。
静電気が起きにくい
冬場の寒い季節に最も多い「静電気」ですが、衣類の摩擦を防ぐためほとんど電気が発生することはありません。
ドアノブに手をかけた瞬間や、人体の接触でのエレクトリックショックも軽減できます。
キュプラのデメリット
一番は、摩擦に弱く毛羽立ちやすい点があります。
ここではキュプラのデメリットをご紹介します。
- 高価
- デリケート
- 水に弱い
高価
スーツを仕立てる際に別途費用になるのがキュプラですね。
記述したようにコットンから成り立つ再生繊維ですので、一枚の布地にするのにポリエステルよりもコストがかかってしまいます。
デリケート
基本的にはインナーとして布地を支える、または動物繊維、天然繊維と縫いの相性がよいので繊細でデリケートになります。
水に弱い
水洗いができないものがほとんどですので、基本的にはクリーニングに出した方が良いです。
お客様によっては「破れやすい」と表現される方も多くいらっしゃいますが、着心地を優先するか、見た目を優先するかの違いかと思います。
布から生地をカッティングし立体的に作り上げるスーツには「撥水加工」「タフネス」「防シワ加工」などの合理的な米国の要素はヨーロッパの衣類とは相反するということになります。
キュプラ裏地のスーツは夏は涼しくて冬は暖かい?
結論からいうと夏は涼しく冬場は暖かいということではないと思います。
キュプラの吸湿性に救われて大気へ発散する作用はありますが「涼しい」ではなく、ポリエステルよりは着用状態の体感温度が低いと言えます。
冬場は自己体温を保つという点では保温性があると考えられます。
基本的には布の潤滑性を考慮してEU圏内では伝統的に仕様されてきた素材であり、大切な副資材の一つという事になります。
まとめ
上質なウール素材のスーツに非常に相性の良いキュプラは、オーダースーツやハイブランドスーツに多く採用されています。
もちろん弊社、SARTO KLEISでもキュプラ裏地を取り扱っております。
※オプション料金 ¥5,000-(税別)
気になった方はぜひキュプラの裏地でスーツを仕立ててみてはいかがでしょうか。
