黒スーツの魅力-スタッフの新しい一着-
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
9月10日このブログを書く日に新しい一着が仕上がったのでそれを着用しながらこのブログを書く。
お客様のスーツを納品するときにこのスーツかっこいいなと感じることは多々ある。
先日書いたドラゴのスカイフォールなんて最たる例(妄想…)
つまりは物欲が刺激される機会が多い。スーツに魅力を感じてこの職に従事している我々にとっては特にだ。
スタッフ間でも好みはあるし、同じ一着を見ても物欲の刺激度合いが異なる。最近はRyohei TATARAのドーメル・AMADEUS365の攻撃力は凄まじかった…。
最近の傾向として黒のスーツに魅力を感じることが多かったのが今回のスーツを作った理由だ。
お客様に「やっぱ黒のスーツかっこいいですね。自分も欲しくなります」と言ったら「上手ですね(笑)」と返されたが本当に作った。
今回のスーツタキシード
ピークドラペルのタキシードである。
興味はないかもしれないが、特段必要になったわけではない。ただ欲しくなった着たくなったから作った。
普段着として考えている。足元はブーツだし、蝶ネクタイもしていない。ボトムスもジーンズを合わせる予定だ。
ディティール
さて、ディティールを見ていこう。
まず、着丈はしっかりと長めにとっている。そしてフロントボタンは一つボタンだ。着丈を短くすることも考えたがこれまで作っているジャケットの流れを踏まえこの一着は長くした。
衿は下衿が拝絹仕様のピークドラペルである。タキシードの衿型はピークドラペルもしくはショールカラーが一般的。上衿と下衿の切替がほしかったのでピークドラペル一択。ノッチはタキシード(もしくはディナージャケット)にはあまり使われない。
ジャケットの背中側は切り込みのないノーベント。自分の中ではセンターに入れようがサイドに入れようがあまり動きやすさの変化を感じなかったのでノーベントで(着丈も長めにとったし)着用中の動きによってはセンターもしくはサイドを入れたほうが良い。
純粋にフォーマルさが増すのも好きだし、見た目・フォルムが好き。センターやサイドとはまた違う雰囲気を出してくれる。
大きく印象を変えるのはこの程度だろうか。
このデザインのままスーツに落とし込んでも良い
フォーマル度の強いデザインであるがこのままスーツに落とし込んでも良い。
濃紺やチャコールグレーであればシックな感じを保ちつつ使いやすいだろう。
より普段のスーツに近いものにするのであればボタンを一つボタンから二つボタンに変える、ノーベントからセンターベント・サイドベンツすることでフォーマル過ぎないようにすることができる。
トレンドなども考えるとあまり変えたくないのはシングルブレストのピークドラペルの一点である。ダブルのイメージの強いピークドラペルだがシングルブレストでも映える。
なぜタキシードなのか
つい先日の着用画像。秋冬向けで案内する生地で仕立てたスリーピーススーツだ。
この着用画像を見ると人々は思うのだ。「変態だ」と。ただでさえ暑いのに冬生地でスリーピース、加えてネクタイまできちっと締めている(足元はブーツ)
この「変態」という期待を裏切らないためというのはタキシードにした理由の一つだろう。とあるブランドにも影響を受けた。
しばらくしたら着丈を短くし衿巾を細くしたタキシードジャケットを作っているかもしれない。
何ものにも代えがたい黒の魅力
あとは黒のジャケットがとてつもなく欲しかった。普通に作るか(衿巾細め)迷い今回はタキシードにした。近い将来ワードローブは黒で埋め尽くされそうだ。
何ものにも染まらずただそこにあるだけで引力を持つような黒に惹かれた。
サルトクレイス谷町店 髙橋