イージーオーダースーツとは?既製品との違いやメリット・デメリットを解説!
この記事を読んでいるあなたは、イージーオーダースーツって聞いたことあるけど、実際既製品や普通のオーダーと何が違うの?
既製品よりも高いと思うけど、どんなメリットやデメリットがあるのか知りたい!
そんな方の悩みを解決すべく、スーツのプロである私がイージーオーダースーツについて詳しく解説していきます。
イージーオーダースーツとは?
日本国内ではパターンオーダースーツとフルオーダースーツの丁度中間に値するのがイージーオーダーと呼ばれるカテゴリーです。
金額の相場では約5万円〜10万円スタートとなりハンドソーンとミシン縫いのバランスも良く売り手側の技術力も必要になってきます。
ある程度スーツに慣れた方や個性的なディテールに拘りを持ったお客様には最適なお仕立てかと思います。
イージーオーダースーツと既製品との違い
既製品のスーツは身長、胴囲、胸囲をもとに、JIS規格のサイズ表から体型に合ったスーツを選びます。
スーツサイズは、体型を表すアルファベットと身長を表す数字で表記されています。
体型を表すアルファベットは、YA(細身)・A(標準体型)・AB(やや大きめ)・BE(大きめ)です。
例えば身長170cmでウエスト80cmの人の場合、「A5サイズ」のスーツを選ぶことになります。
JIS規格(日本産業規格)とは、測定法などが統一された日本における国家規格のことです。
製品の寸法だけでなく、性能や安全性などの規格値も定められています。
一方イージーオーダースーツ(スミズーラ)はお客様のヌード寸法からゆとり量を逆算し、限定された型紙ではあるものの数値を自由に動かしながらお客様だけの本当の1着を生産します。
基本的にはフルキャンバス、ハーフキャンバスもお選び出来るので、入念なビスポークが必要になります。
また手縫い工程も多く、構築的な既製品に比べて高級感と丸みを帯びた立体的な仕立てが可能となります。
価格
一般的な国内の相場では5万円〜10万円スタートとなります。
舶来物の生地ですともう少し価格が上昇しますのでご心配な方は仮縫いやシーチングで数回打ち合わせを繰り返しても良いでしょう。
サイズ
基本的にはサイズに関しては規格が無いと言っても過言ではありません。
袖丈や着丈、ウエストや股下と言った簡易な数字ではなく前身頃、後見頃、前袖、後袖など布パーツを細分化して組み立てるのでどのようなお客様でも柔軟に対応できます。
デザイン
基本的にはテーラードのデザインが中心になりますが、ラペルの切り替え布の変更やポケット位置、釦位置調整など、ほぼフルオーダーに近い数値変更が再現できますので、ドレスカジュアルやスーツを着ないお客様にも幅広くご提供できます。
イージーオーダースーツのメリット
ここではイージーオーダースーツのメリットを書いていきます。
イージーオーダースーツのメリットの1つは、体型のクセを補正できることです。
肩幅が極端に広い人や猫背体型の人など、普通のスーツを着たら無駄なシワが寄ってしまう方でも、シルエットに沿って補正することで満足を得ることができます。
体型に合ったスーツを作れる
体型に合ったスーツを着ると背筋が必然と伸び自信を身に着けることが出来ますね。
また着用回数を増やすたびに劣化するのではなく、芯材と生地と体型が溶け込み、とても柔らかくなってくるのも大きな特徴と言えます。
好きな生地やデザインでスーツが作れる
イメージが湧きにくいようなデザインであればインターネット画像や実際のサンプル品とすり合わせて好みのスーツが作れるのも大きなポイントです。
生地はよくてもパターンオーダーでは解決できない問題もクリアできるのがイージーオーダーです。
イージーオーダースーツのデメリット
綺麗ごとだけではなくここではデメリットもしっかりご説明します。
金額や納期、デザイン性、採寸士の技量などお客様が普段お目にかかれない内容もあるかと思います。
既製品スーツより高い(フルオーダースーツよりは安い)
大量生産の既製品と比較すると金額は約2倍~3倍が妥当かと思います。
職人の裁断やイージーオーダーでも手縫いに拘っているファクトリーも存在しますので金額面は少々コストがかかります。
ただし30万~が相場のフルオーダーに比べると仕上がりのイメージもし易く安いかと思います。
既製品スーツのメリット
なんといっても即納でしょうか。早い、安い、瞬間的な満足、はメリットです。
またその場で決断可能な既製品は何回も試着ができ結果的に合理的な買い物になります。
安く手軽に購入できる
¥19000~¥30000が相場で効率が良く安く購入できるのも既製品ならではです。
スーツにあまり投資したくない世代やライフスタイルの方には安くて、お洒落、がキーポイントです。
既製品スーツのデメリット
既製品のスーツでも細分化されたカテゴリーではデメリットも多く存在します。
サイズやデザインが決まっている
これだけ多様化された働き方が浸透した日本では大量生産のデザインでは満足できなくなっているのも事実です。
作られたサイズにカラダを合わせるためどうしても妥協点が増えますね。
まだまだオーダースーツの歴史が浅いのでオリジナルな性とは正反対のベクトルがはたらきます。
まとめ
イージーオーダー、簡単な、安価なオーダースーツではありません。
副資材に拘り、技術のある職人さんが居てようやく成立するもの。
厳密な検査をクリアした生地、そして我々フィッターが採寸し、ようやく成立するもの。
「生地は良いけど、仕立てが…」
「仕立ては良いけど、生地が…」
「生地も仕立ても良いけど、サイズ感が…」
どれか一つでも欠けると、しっくり来ないんです。
気に入らない洋服って、どれだけ高い物でも着ないですよね…
失敗しない為にも、予算内で出来る最大限のクオリティーを求めてください。
私達サルトクレイスは、フルオーダーに限りなく近付ける様にイージーオーダースーツ作りに取り組んで参ります。