サスティナブルなスーツを考える-タフな英国生地で実現する-
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
大阪・京都のオーダースーツサロンサルトクレイスです。
先日(たしか雑誌)でスーツは「サスティナブルな服である」といった具合のフレーズを見た。共感というか何というか「あぁ」というものがあった。
スーツがサスティナブルな服であることは長く着れるから。
長く着るためには
他にも保管状況や着用者の体型の変化(どうしても着れなくなったら譲る・受け継ぐ)に左右されるが今回はあまり触れない(保管状況が悪く虫食いが発生した場合も諦めないで‼)
仕立てとデザイン
さて先程3点挙げたが今日取り上げようと思う内容からすると順序を誤ったように思う(面倒なので書き直さない)
仕立てとデザインについてだが、まず仕立てはもちろん良いものを。毛芯を使っているものが型崩れもしにくくオススメ。耐久性を考えると総毛芯、半毛芯、接着芯の順で覚えてもらうと良い。夏場に着るジャケットはどうしてもダメージが多くなるのと通気性を鑑みて接着芯という選択をする人もいるだろう。日本の気候とサスティナブルを考えると夏場はジャケットを着るべきではないかもしれない…(シャツの救済も考えたい)。
夏場の愚痴が入ったが長く着れるかの基準として毛芯の使用は参考になる。
毛芯の詳しい説明はリンクから。念の為だが必要に応じて選ぶように。
次にデザインはシンプルにしておこう。スーツは年月をかけて今の形に落ち着いている。流行によって多少の変化があっても衿がなくなったり、半ズボンになったりは恐らくないだろう。
ポイントは過剰にしないこと。極端に太いシルエットや細いシルエット、ラペル巾、着丈や股下の長さ(ノークッションとワンクッションはやりすぎ注意)などなど。簡単な挙げるとこんな感じ。
基本的な形に好みのエッセンス少し加えるだけにしておこう。
本日の本命”生地”
では本日の本命の生地。スーツやジャケットの花形?とも言うべき最も前面に出るもの。
今回オススメするのはイギリス生地がメインに。理由としてはわかりやすくタフだから。
サヴィルクリフォード
イギリス生地の中でも先進的な技術を取り入れているサヴィルクリフォード。名前が何とも覚えにくそう。
イギリス生地と聞いてイメージする硬派な感じからはある意味がっかり?するような柔らかさも兼ね備えたブランド生地。色ダークトーン過ぎずそのシーズン毎にトレンドを取り入れた生地も展開されるのでおしゃれ感度が高い人にもオススメ。
上品な光沢を持ちつつも使われているのは太番手の糸でタフさは折り紙付。ベーシックなネイビーやグレーの無地はもちろんのこと、イギリスの伝統的なチェック柄は10年経っても色褪せることない魅力を持ち続ける。
近年はストライプの流行の兆し(?)もあり、ストライプ柄も多く出ている。トレンドのブラウンやグリーンが配色された生地もありブラウンやグリーンに抵抗ある方にも。飽きが来ない程度に20年後にブラウンが流行している時に作ったなと思い返せる‼
カイノック
サルトクレイスのブログを良く読んで頂いてる方がもし仮にいればしつこいと思うことだろう。カイノック。
イギリススコットランドの織元。生地の特徴としては強く撚られた糸で織られたヘリテージツイスト。ツイードライクな風合いを備えたたまらない(個人的主観)の生地。最初は少し硬く感じることもある生地感だが着ている内に柔らかくなっていく楽しみや当然のことながらしっかりとした耐久性を持ち合わせているので非常にオススメ。
自然を意識した配色が特徴的な生地はカントリーっぽさがあり洗練された都会っぽさを出すのは少し難しいものの一緒に年を重ねたいと思わせる。定番のネイビーやグレーのソリッドはなく特徴的な配色が癖になるブランド。
イギリス生地を選ぶ
念の為言っておくが今回イギリス生地を中心に紹介しただけですべてのイタリア生地がサスティナブルな面に向いていないわけではない。ただ単に僕の好みが強く出ているだけ。
ただ全般的にイギリス生地の方がタフだし湿気にも強い。日本ではイタリア生地の人気が強くイギリス生地は後塵を拝している。長くスーツを愛用するって最高に活かしてると思う。
サルトクレイス谷町本店 髙橋