自力でジャケットをリフォームしたお話
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
大阪谷町店よりジャケットを自分でリフォームした話を。
先日は若干トチ狂った様なブログを投稿した。
夏場にスリーピーススーツはあり?
上記のブログで伝えたかったのは
- ジャケットは直射日光から身を守り、急激な体温の上昇を防ぐ。
- 汗の乾燥が追いつかなければジャケットは脱げばいい。
そんな夏場にも欠かせないジャケット、デザインで好みが別れたり…
ジャケットのデザイン
スーツもしくはジャケットをオーダーする際には採寸するのももちろんだが、デザインを決める。既製のスーツにはないことだ。
ジャケットでデザインを決める箇所は主に
- ラペル
- ベント
- 袖ボタンの数
- ポケットのデザイン
主に上記の4つを決める。厳密にはその他の要素でもスーツ・ジャケットの印象は大きく変わるのだが、それはまた後日(いつかはわからない)
ラペル
ラペルはノッチとピークが主だったデザインである。
ノッチドラペル
ピークドラペル
一般的にビジネスシーンで着用されるのはノッチドラペルのジャケットだろう。
ピークドラペルはダブルのジャケットのよく用いられるが現在ダブル自体が少数であるし、シングルのピークドラペルは一日に一人来ている人を見たらラッキーに他ならない。
顔周りに近く印象に残りやすいので重要なディティールである。
ベント
ベントそれすなわち切れ込み。
サイドベンツ
センターベント
ジャケットの背中側の切れ込みの本数が2本か1本かの話。
ジャケットの腰からヒップにかけてのシルエットに影響があるディティールになるのでどういった印象にしたいかで変わる部分である。
ちなみにオーダーではサイドベンツが選ばれることが多い。
袖ボタンの数
ジャケットの袖には釦がついている。
釦の数を変えたり(9割は3個か4個にすることが多い)釦をきれいに並べるが重ねるかを変える。
ボタン並び
重ねボタン
重ねボタンの方が手間がかかるディティールだが、サルトクレイスではオプション代は頂いていない(宣伝になり得ない宣伝)
イタリア的な雰囲気を出すなら重ねボタン(ついでに本切羽)にイギリス的なカチッとした雰囲気なら並びがおすすめ。
ポケットのデザイン
腰のポケットに着目頂きたい。
フラップ付きポケット
パッチポケット
もちろん他にも種類があるが今回はこの2つで。
フラップ付きはよくスーツのジャケットで目にすることだろう。パッチポケットはカジュアルなジャケットによく見られる。
用途に合わせて決めるべきディティールだ。
自分でリフォームするディティールは?
使ったのは家庭用ミシン。
つまり、ボタンを変えて印象を変えるだけではなかった。
サイドベンツのジャケットをノーベントに…
根気が必要な作業に途中で投げ出したくなったがかなり気に入っているジャケットなので切れなくなると困る…。やり遂げるしかない。
裏地を外し、ベント部分を合わせピンで留めたのち縫う。ここまでは良かった。まだ想像していた。背抜きのジャケットなどを見てこうすればいけるのでは?と仮説を立てていた。
ただ、想像が甘かった。
裏地を縫わねばならなかった。
裏地は柔らかく、動きやすくめちゃくちゃ縫いにくかった。おかげでガタガタ…。
ポジティブな考えでこれも自分でやった証、愛着も湧くじゃないかと考えることができて事なきを得た(?)やり直す気力と発想はちなみになかった。
あとは裏地を縫うだけ。
割ときれいにできたのではないかと自分で自分を褒めている(あくまで及第点)
わかりやすい写真がなかったのでご容赦頂きたいが、何かが劇的に変わるわけではない。
ただ、ノーベントの方がフォーマルなディティールであるということ。サイドベンツの方がやや腰回りにボリュームを感じる程度。
ちなみに過去の自分を罰したく感じたのがあまり動きやすさには影響がないように感じた。剣を腰に通したり、乗馬でもしない限り機能性はないようにも感じる。
これ以降つくるジャケット類は基本ノーベントになりそうだ。
リフォームするきっかけ
余談だが、リフォームしようと思い立ったのは家のドアノブに引っかかった時にベント部分の裏地が破れたから(それも後日自分で修理した)
ノーベントにしたら引っかからないかなというのがきっかけの一つである。
サルトクレイス谷町店 髙橋