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ナポリを体感するなら『スティレ・ラティーノ』のスーツ

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皆様はナポリ仕立てと呼ばれるスーツを着用した事がありますか?

現在の日本国内では当たり前のようにイタリアスーツの着こなしや文化が流入し、ビジネスマンだけでなく多くの客層にも認知されつつあります。

まだまだ発展途上のイタリアブランドですが、ここではナポリを知る上では欠かせない「スティレ・ラティーノ」についてお話しします。

目次

スティレ・ラティーノこそナポリ仕立ての真骨頂

イタリアの南部(ナポリ)で生まれ、アジアのマーケットにまで多大な影響を与えたスティレ・ラティーノは間違いなく今後も変化を遂げながら紳士服業界のトップを走り続けることは事実です。

ナポリのスーツはス・ミズーラ(オーダーメイドスーツ)が根底にあり、手作業による細かな仕上げのスーツやジャケットが基本的な縫製になります。

90年代の初頭にクラシコイタリア協会の発信によって数多くの日本人にも認知される様になりました。

アットリーニ家の長男であるヴィンツェンツォ・アットリーニが2004年に立ち上げてから多くのバイヤーが買い付け、支持されるようになった大きな理由は「売り方を変えた」ことが成功への近道であったかと思います。

アットリーニ家のオーダーメイドスーツは母国ナポリでは”超”がつくほど有名で政界の著名人を顧客にし、ひっそりと工房を営んでおりました。

伝統の継承を強いられ、帰路に立たされたアットリーニ家は経営の舵取りを長男ヴィンツェンツォに託し、これまでのオーダー製品に加えて「手作業の多い高級既製品」をアジアへ発信した事が見事にアッパー層を虜にした訳ですね。

簡易的なオーダー製品しか生産出来ないブランドであれば実現不可能であった事は言うまでもなく、軽快でエレガントな本物のナポリ仕立てを作り続けてきたスティレ・ラティーノだからこそ成し得た偉業であると思います。

スティレ・ラティーノの代表的なディテール

まずは数あるスーツの中でも特に個性的なスティレ・ラティーノのディテールを3つご紹介致します。

曲線美を重視したワイドなピークドラペル

今でこそ高級なセレクトショップでは良く見かける様になったこの下衿の型ですが、第1釦に向かってやや湾曲したアイロンワークが特徴的です。

下衿を立体的に見せるだけではなく機械化された製品との違いを大きく表現したかったのでしょう。

または「手作業」である事が一目で分かる様に差別化を図っているところも粋な計らいです。

ラテンで陽気なナポリ人特有の気質から大きなワイドラペルはもはや定番化されつつありますが、世間に浸透させた事がヴィンツェンツォ・アットリー二のカリスマ性とも言えます。

ナポリ仕込みの手縫いステッチ

日本では「手星」と呼ばれるこの繊細なステッチはナポリの職人ならではの技法です。

ポツポツと糸を縫い付ける事で衿の端を抑え込み、経年変化防止の役割があります。

スティレ・ラティーノは添付画像のようにこのステッチを2列に縫い込むデザインが特徴的で、昨今ではナポリのステッチの代名詞ともなりました。

着心地を重視した半裏仕様

一般的なスーツ裏地の縫い付けと言えば、真冬は「総裏」真夏は「背抜き」と呼ばれる仕様が多いですが、ここ数年のスティレ・ラティーノは違います。

季節に関係なく生地の特性と軽快さを追求した「半裏仕様」をメインに展開しております。

ミシン縫いではなく「手縫い」に重点をおいたナポリならではの発想ですので多少の粗さは残りますが、「動き」を優先した縫製の習慣から読み解くと必然のディテールなのかもしれません。

スティレ・ラティーノが及ぼす日本国内への影響力

高価格帯でも売れる既製品のスーツ

スティレ・ラティーノが展開する既製品ほど価格と品質のバランスが優れているブランドはあまり見当たりません。

着る人を虜にする生地選びや随所に垣間見られる現代的な解釈のデザインが日本でも特別な製品として受け入れられているのでしょう。

もう少し紐解くと、プロパー価格(正規価格)で購入する富裕層とセールを待ってでも欲しい感度の良い中年層がクロスオーバー(混合)しているとも言えます。

販売価格は20万円代〜30万円代と一般的には消して安くない設定ですが、20万円を出して生地ランクだけで(縫製グレードはそのままで)勝負する簡易的なオーダースーツを購入する位ならスティレ・ラティーノの既製品の方が総じて推奨出来ます。

伝統を革新に変えたオーダーメイドスーツ

ヴィンツェンツォ・アットリーニの手腕によって「アットリーニ家の血筋が手がける既製品のスーツ」がアジアのマーケットを捕らえた事により従来の客層以外にも認知される様になってからは本家のオーダースーツがより一層注目を集める事になります。

大きな理由としてはこれまでの伝統的なモノ作りは変えずに「スティレ・ラティーノ」のファッション的な感性をオーダースーツにも落とし込んだからです。

歴代の顧客様だけが満足するのではなく、そのご子息も含めた30代〜40代のミドル層にも受け入れられる様になりました。

また「トランクショー」と呼ばれるオーダースーツの採寸会を日本国内でも頻繁に開催し、イタリアからご本人たち(アットリーニ一族)が来日する事で、よりリアルなフィッティングと仕上がりを楽しめます。

ご興味のある方は是非1度トライしてみてはいかがでしょうか。

ダルトーン(燻んだ色調)を中心としたコーディネート

ビジネスシーンにおいてスティレ・ラティーノが及ぼした影響は大きく、イタリアの街並みや自然の色を表現したアイテムを組み合わせたコーディネートは根強く人気を誇っております。

クールビズやドレスカジュアルが増えたこともありますが、英国的でストイックかつ、暗めのコーディネートが主流であった日本国内を鮮やかに彩ったのもブランドの功績と言えるでしょう。

ダルトーン(燻んだ色調)と呼ばれるアイテムを中心に構成された生地やネクタイは若い世代にも色濃く反映され、普段着使いとしても取り入れられる様になりました。

パーティーシーンや休日のデートシーンなどあらゆる場面において格段にお洒落に見えてしまうのもナポリの地で育まれた色彩感覚からくるもので、日本人にとっては全く新しい感性として受け入れられました。

スティレ・ラティーノを模範にジャケットをオーダーしてみました

私はクラシックなデザインのスーツやジャケットは多数所有しており追加で作る必要はありませんでした。

どうせ作るなら正統派な縫製にファッション性が加わったナポリ特有のエッセンスが必須でした。

情熱的なデザインと着心地といえばナポリの雄、スティレ・ラティーノが最初に思い浮かびましたので、今回は模範させていただきました。

手触りの良いイタリアメーカーからの生地選び

(Vitale Barberis CANONICO-カノニコ-)を選びました。

スティレ・ラティーノの風合いをイメージするためには欠かせないイタリアの生地で、実際に多くのサルトリアが取り扱っている世界的にも実績のあるメーカーです。

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柄無地ですが凹凸感と手触りが良く汎用性の高いジャケット生地で、ここでの生地選びの大きなポイントはイタリア人の気持ちになってイタリア人が好みそうな生地を選ぶ事です。

とは言うものの初心者の方には少々ハードルが高いかと思いますので生地選びの際は仕上がりのイメージを共有出来そうな専門性の高いテーラーにご相談下さい。

仕立ての骨組みとなる芯地選び

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スティレ・ラティーノ特有の軽くて柔らかな仕立てと着心地を実現させるためにはフェルトなしの毛芯を選びたいところですね。

通常、台芯(前見頃を支える)、肩芯、胸増芯(胸の厚みを出す)、フェルトの四層構造になりますが、今回はフェルトを抜いて三層のものを使って軽くてもシルエットを構築する仕上がりにしました。

中庸的な(大きすぎず細すぎない)サイズ感を目指した採寸

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採寸のテーマとしてはクラシック(普遍的)であることは言うまでもありませんが、スティレ・ラティーノが発信する中庸的なサイズ感でなければ作る意味がありません。

理由としては「静」(静止している時がいかにエレガンスかを考える。)を追求したイギリスのスーツに対して、イタリアは「動」(動いてる時がいかにエレガンスかを考える。)を追求せざるを得えないからです。

その中でも特に重要視している注意点は、大きすぎず細すぎない、攻めすぎず守りすぎない、中庸である事が大切です。

肩幅をコンパクトに魅せたいのでウエスト位置からヒップまでは曲線的で拡がりのあるAラインである事。

服と皮膚の間に空気が宿る様なゆとりある数値での仕上がりを目指しました。自分で採寸したのでメジャーリングがとても難しかったです。

仕上がりの感想 

率直に申し上げて成功しました。

フルキャンバスで目の詰まった柔らかな天然の芯地と生地、縫製、型紙がピッタリと合致した様です。

着用していてストレスがなく上腕の可動域も我ながら見事な仕上がりでした。

肝心のスティレ・ラティーノと比較するとスーツの母国にはやはり勝てません。(オリジナルのハウスモデルを所有しているため)がしかし、こちらのオーダージャケットで半値の10万円です。

生地以外の副資材にも存分に拘った品質で、デザインの自由度も高く、模範できるレベルにまで落とし込めたので満足しております。

スラックスだけではなく、デニムとの相性も良いので今夏はこれを着て乗り切りたいと思います。

高品質なインポートスーツがお好きな方や、単調なオーダースーツに飽きた方などは、ぜひとも私にお任せくださいませ。

オーダースーツ専門店 サルトクレイス
田原




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