スタイリストインタビュー


サルトクレイスのWeb担当が店舗スタッフにインタビューをしました。「オーダースーツ」のイメージは「百貨店の紳士服フロアのすみっこに暗い色の生地がずらっと並んでいて几帳面そうなおじさんがメジャーを引っかけて立っているあの一角・・・」というスーツ初心者のアラフォーおばさんのWeb担当は、サルトクレイスに来たとき、お店の内装のカッコよさや商品の美しさ、スタッフのお洒落さにとても驚きました。オーダースーツのあれこれ、谷町本店の近藤店長にうかがいました。
まずはサルトクレイスでお仕事するようになった経緯をお聞かせいただけますか
今年29歳になるのですが、サルトクレイスには20歳のときに入社し今年で9年目になります。 洋服やファッションが好きでこの仕事に就きました。
オーダースーツやこのお仕事の魅力とは何でしょう
サルトクレイスでの仕事は、普通の販売業と営業職の中間あたりに位置するような仕事です。 「売ったら売りっぱなし」の既製服の販売とは違い、美容師さんなどサロン形態の働き方に近いと思います。
接客は1対1でお一人おひとりからじっくりお話をうかがいます。受注取ってから1ヶ月くらいで納品されますがその間も、納品後もフォローをしています。体型が変わったなどの理由でも微調整も受けています。
飛び込みで来店されて担当スタッフがいない場合はカルテを参照して他のスタッフが接客にあたる場合もありますが、基本的にはずっと同じスタッフが担当します。そういったところでしょうか。
先日お店にあるバンチブックを触らせていただいたのですが、その手触りや美しさに驚きました。スーツはご自身でも欲しくなったりしますか
そうですね、次から次に欲しくはなりますね。。生地見本は毎シーズン送られてきますので物欲としてはきりがないです(笑)スーツですとワンクールに1回は自分でも作っています。お店ではシャツも含め基本的に作ったものしか着用しません。


お店の棚という棚にはバンチブックが

9年間毎シーズン、スーツもシャツもとなると結構な量になりますね! 今着ていらっしゃるものもオーダーですか。
はい、今年新しく作ったジャケットです。
リネンとコットンで裏地のない夏仕様のジャケット

織目が夏らしく爽やか、リゾートスタイルにさらっと合わせても素敵そう・・・

着用時には見えないところまで美しい縫製にうっとり・・・

ジャケットの刺繍名入れはサービスなのだそう
今日はデニムと合わせていらっしゃったりカジュアルダウンした着こなしもとてもお上手ですが、お客さまからも反応はありますか
そうですね、ジャケットだけの注文などもあります。ジャケットはビジネスシーンではもちろん、素材や形によっては今日着ているみたいにデニムやスニーカーなど普段着にも合わせたり、といったコーディネートもできるアイテムです。

ロールアップしたデニムとレザーシューズとのコーディネート
お店に立つ上で気を付けておられることなどありますか
うーーーん、最低限の丁寧な接客。距離感。言葉づかい。あと、フレンドリーさ・・・。
なるほど!硬すぎてもなれなれしすぎてもよくないのでしょうね・・・
そうですね。ただこれらは僕だけがやっている訳ではなく全員が普段から気を付けていることだと思います。
私みたいなオーダースーツははじめてで何もわからない、という人はお店でどんなことを伝えるといいですか
まずは着用シーン。あと手持ちのスーツ。どんなものを持っているか、写真などなくても色味などお伝えいただければと思います。雑誌などの写真で「こういうスーツが着たい」や「こういうコーディネートがしたい」などでももちろんご提案、ご対応します。
ですが、たいていのお客さまは漠然と「スーツがほしい」というだけでご来店されます。ですので、じっくりとヒアリングをして漠然としたイメージを形にしていきます。消去法で選択肢をせばめていく方法で確実に失敗のないスーツ選びをしていく、という場合もあります。なにしろ山ほどの生地がありますので。
そうですよね。オーダーに慣れたお客さまでもご自身で選ぶのは至難の業ですね
結局は言葉なんです。
確かに!!お客さまが「これがいい」と思い込んでいても専門家にヒアリングしてもらうことで更に的確ないいものが作れるかもしれない
あと、予算をおっしゃっていただいても大丈夫ですよ。例えば「5万円以内で」などおっしゃっていただいても、その範囲でもっとも着用シーンにふさわしい、ベストなものをお作りします。
それは心強いです!
来店時は普段着でも問題ないですか
ご注文の際はメジャーリングもありますがスーツやシャツを着てこなくても大丈夫です。


カフリンク、チーフやベルトなど小物もコーディネートできます

ネクタイは既製もありますがオーダーでお作りすることもできます
例えば手持ちのスーツのパンツだけ傷んできちゃったけどジャケットはまだ着たいな、というときなどパンツだけの注文もできますか。
もちろんです。まずは修理の提案をしたり、修理は難しいようであればジャケットに合うように新しく作る提案もできます。
ドレスコードがある場に出席するけど何もわからない、などの相談もできますか
もちろんです。ドレスコードに応じた間違いないものを。それと多少間違いはあってもオシャレなもの、たとえばちょっと攻めた感じのものとか。 カッチリした場なのか、個性を出したほうがいいようなパーティなのか、同じドレスコードだとしてもさまざまなアプローチがあると思います。

こんな小物使い憧れてしまいます・・・!
オーダースーツの需要としては結婚式用、というのがけっこう多いです。同じ結婚式でも「だれの結婚式なのか」とか「どういう立ち位置で参加するのか」親族のかたさとか、あと「役割」もありますね。「スピーチがある」、「乾杯を担当する」とか「受付をお願いされている」とかでご提案は変わってきます。そういったことはある程度お訊きしてご注文を受けています。
なるほど!たしかにそうですね
どういった式やパーティなのかはもちろんのこと、どのような立場で出席するのかは最も大切なことですね
はい、主役より目立ってはいけないけど失礼は無く、など気遣いは必要ですね。
そういったことまでご相談できるのは安心です
注文頂いてから納品までの一か月間、しっかりとちゃんと考えて寸法入れているかとか、きちんとデザインを考えてやってるかとか店舗スタッフもずっとフォローしていきます。そして納品後も。
サルトクレイスには3ヶ月間無料の「お直し保障」があるんでしたよね
「スーツはいつもサルトクレイスで購入される」というお客様の中に特に多いのですが「パンツの裾がほつれた」とか「ボタンが取れてしまった」といったことでも来店されるかたもいらっしゃいます。これらは3ヶ月を過ぎても無料ですが、お店に来ていただいて新しい生地を見ていただいたりお話しするのもスタッフにとっては大切な時間です。
なるほど。今日は貴重なお話をありがとうございました
ありがとうございました。

谷町本店の前にて
気を付けていることは、と尋ねるとゆっくり言葉を選んでとつとつと答え、「でも他のスタッフ全員がやっていることです」と笑う近藤さん。
私から見れば受注からアフターケアまで常にとても神経を使う特別な仕事ですが、毎日店頭に立っておられる近藤さんには当然のこと過ぎて意識すらされていないのでしょう。
普段もジャケットとか着るんですか、と訊くと「いえいえ全然!普通にジーパンにTシャツです。衿のあるものは着ないです(笑)」とのこと。
考えてみれば「オーダースーツ」ってお客様にとってもたいていは「仕事着」や「特別な席のための服」であって、スイッチがONのときに着るもの。だからこそお客さまの心にに寄り添った提案ができるのかも知れません。
もし私のように「オーダースーツのことなんて何も知らない」というかたがもしおられましたら、一度お店にいらしてみませんか。生地見本を見たり触れたりするだけでもうっとりするこの感覚、是非とも味わってみていただきたいです。

レディースのオーダースーツやオーダーデニムシャツなどもお取り扱いしています
6月末までジャケットフェア開催中です
実はこのオーダー例の画像も近藤さん私物です
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