カシミヤで仕立てるオーダーコート
皆様こんにちは。
本日は 希少価値が高く高品質でも有名な「カシミヤコート」について触れてみたいと思います。
スーツのように毎シーズン買い替えるほどではなく、生涯モノのオーダーコートをご検討のお客様の後押しになればと思います。
カシミヤってどんな素材?
カシミヤはカシミヤ山羊から採れる獣毛素材です。
カシミヤ山羊は中国北西部や、内蒙古、外蒙古、イランなどで産出されています。
カシミヤの名前はインド北部高原地帯カシミール地方の古い綴りに由来します。
色はブラウン、グレー、ホワイトがあり、ホワイトカシミヤは淡色にも染めやすいので珍重されています。
カシミヤのメリットといえば
- ”軽さ”と”保温性・保湿性”に優れるていること
- ”柔らかい”肌さわりと上品な”光沢感と風合い”がある。
- 弾力性に優れ”型崩れしにくい”
カシミヤの繊維は非常に細く(繊維径直径の平均14~16ミクロン)他の獣毛繊維と比較しても突出した細さである事が分かります。
この事から分かるようにカシミヤ繊維は、1本の糸を仕上げるにあたり、より多くの繊維を束ねる事が可能です。
また外気を遮断し放熱を抑えると言う繊維特徴をもったカシミヤニットは、熱伝導率の低い空気を多く取り込むことが可能で、暖かな空気を内へとため込みます。 更にカシミヤの表面
にあるキューティクル構造が、空気中の水分の吸収・放出を行うことで、一定の湿度を保つコントロール機能の役割を果たします。
これらの性質がカシミヤニットの優れた”軽さ”・”保温性”・”保湿性”を生み出します。
カシミヤ繊維は非常に細くしなやかで、皮膚刺激の少ない繊維の為、肌さわりはとても”柔らか”です。
また繊維表面には突起の少ないキューティクルが鱗状におおわれています。
突起が少ないことにより表面はフラットな状態となり、光を真っ直ぐに反射させ、”美しい光沢感”を生み出します。
更にカシミヤに含まれた油脂が、カシミヤ繊維の表面を覆うことで、カシミヤならではの”風合い”を醸し出します。
最後にカシミヤは非常に伸縮率に優れた素材です。
(羊などの獣毛素材と比較しても、約40%以上伸びがある)
これは生地のしなやかさや滑らかさを生むとともに、糸そのものに強い”復元力”を持たします。
結果、”型崩れのしにくい”カシミヤ製品へ繋がります。
デメリットもありそうですよね。。
- ”ピリング(毛玉)”が発生しやすい
- デリケートな素材の為、定期的な”お手入れ”が必要
糸の種類には大きく分けて、長い繊維が連続した”フィラメント糸”と、短繊維同士を撚ってループ状にし、一本の糸にした”スパン糸”の2つがあります。
※短繊維=絹以外の天然繊維(綿、麻、毛、カシミヤなど)
フィラメント糸とスパン糸では”糸端の数が違う”という特徴があります。
短い繊維を撚って作られた紡績糸は、糸端が多く存在します。
この糸端同士が絡み合うことで、玉となり”ピリング(毛玉)”が発生します。
また短繊維スパン糸の羊毛やカシミヤの場合は、繊維表面にスケール(キューティクル構造)が存在します。
このスケールの反り返り(突起)同士が、着用中の強い摩擦などで特に絡みやすく、ピリングが発生しやすくなります。
以上のことからカシミヤと上手に長く付き合っていくためには、
カシミヤの特徴を理解し、定期的な”お手入れ”が必要となってきます。
上記の注意点は良いものを長く着る、という意味合いでは 革靴や、オーダースーツにも通じるメンテナンスかと思います。
カシミヤには評価基準がいくつか存在し、 その一つがカシミヤのグレードです。
カシミヤには“ホワイトカシミヤ”、“ブラウンカシミヤ”、“グレーカシミヤ”が存在し、中でも脱色の必要がなく染色しやすいホワイトカシミヤは、
特に価値の高いカシミヤとして重宝されています。
またカシミヤには原料のランクが存在し、 繊維長(繊維の長さ)、繊度(繊維の直径/細さ)、異物混入率の3軸にて判断します。
サルトクレイスのオリジナルオーダーコート
そして最後はお客様の納品を控えた カシミヤ オーダーコートをご紹介します。
汎用性も高くコーディネートがし易いネイビー無地
少しの店内照明を当てただけでも気品が感じられます。
では天日を当てるとどうなるのか、、、、、
クラシックでありながら風格の出るグレー。
毛羽の高級感が鮮明に分かります。
職人気質のダークグリーン。少々難易度は高いですが、ファッションが好きな方なら一度は挑戦したいポジションですよね。
弊社のコートは肩パットの分量も調整しながら作りあげていきます。最近のイタリアの流れからするとようやく来ました、とう感覚でしょうか。
一生もののコートですので採寸も緊張しますよね。
私も欲しいですね。お財布と相談しなが、と言い聞かせ毎シーズン見送ってる気がします。
それだけ緊張感のある重要なアイテムとも言えます。
お客様との距離を確認し、イメージを共有。どうみられたいか、日本ではどうなのか、どうゆう目的があって仕立てるのか、
新たなクローゼットを彩る大切なオーダーコート、できればカシミヤで最上級の着心地と満足を手に入れてみてはいかがでしょうか。
メンテナンスもご相談にのりますので、まずは店頭まで!
※※※サルトクレイス京都店 田原※※※