日本製スーツ
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謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧を心よりお祈り申しあげます。
さて、皆さまはスーツを何処で買いますか、国産?それともインポート?近年のクラシック回帰といわれるなか、どうしてもクラシックという響きになると、スーツはヨーロッパのものという感覚から、どうしてもインポートに焦点が当たってしまうんですね。
実は世界に通用する日本人のモノ作りというのは、スーツや洋服を仕立てる分野においても、世界に引けを取らないのです。
実際にスーツと通ずるものによくビスポークシューズが比較されますが、ビスポークシューズの分野に置いても生産責任者などブランドの作り手においては日本人のスタッフの方が多数おられるのが実際の現状です。
スーツもしかりで世界に通用する日本人のモノ作りはさすが!誇らしいです。
それでは日本製スーツと呼ばれるのはどのようなモノなのでしょうか。
オーダースーツ選びでは生産地も大切です。日本製とインポート物では価格はもちろんですが、品質も異なることがあるからです。
しかし、実際のところ、注文する側としては生産地によって具体的にどんな違いがあるのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そもそも日本で売られているスーツは、国内工場で作られるものと海外の工場で作られるものに分かれています。そのうち、海外で作られるスーツについては、中国やベトナムなどのアジア圏、これはほかの製造業でも言えることですが、人件費が安いところで大量生産されるケースが大半を占めているはずです。
国内の工場で作られるスーツのことを、こうした海外工場製のスーツと区別するために、日本製スーツと呼ぶ場合があります。
ところで、日本製スーツとは具体的にどんな条件を満たすスーツのことを指すのでしょう。生地の裁断から最後の仕上げまで一着のスーツを完成させるために必要な工程はたくさんあります。
どこまでの工程を日本で行なえば、日本製スーツを名乗ることができるのでしょうか。
日本製スーツと呼ばれるためには、日本で縫製や装飾が行なわれたものであることという条件を満たす必要があります。
衣服の世界では素材や生地を衣料品の形状にしていく過程に携わった国を「原産国」といいます。
つまり、生地の裁断・縫製といった主要な工程がおこなわれる国が原産国ということです。
ほとんど出来上がった状態の品を他の国から持ってきて、最終的にボタンなどのパーツを取り付けて出荷した国は原産国ではありません。
逆に、日本で縫製や装飾が行なわれたものを海外で仕上げて出荷した場合それは海外製ではなく日本製ということになります。
とはいえ、日本製スーツも海外製スーツも見た目にはほとんど違いがありません。
外見だけでどちらかを判断するのは難しいと言えるでしょう。
ただし、見えない部分の仕立てや細かな部分については差がつきます。海外の工場で縫製したものより、日本の工場で縫製したもののほうが縫製の質は良く、細かな部分もしっかり作られている傾向があるのです。また、襟もふんわりとした仕上がりで、大量生産で作られるものよりも全体的に立体感があります。この立体的で体に自然にフィットするデザインが日本製スーツの良さです。また、着心地も良く、丈夫で長持ちします。
なお、日本製スーツの場合、海外工場で作られる廉価な大量生産品とはスーツの生地が違うケースも多いです。
そして、生地代はスーツの価格に直接反映されるため、安価なスーツでは安い生地を使っているのが一般的です。
しかし、日本製スーツは国内縫製というだけである程度コストをかけることになるため、価格もそれなりです。
それだけに生地も国産、イタリア、イギリスなどの良質なインポートものを使用したスーツが多くなっています。
実際のスーツの着心地や肌触りは仕立てだけではなく、生地によっても変わってきます。
いかがでしたでしょうか。
日本のスーツは、海外のスーツに比べて品質が安定しています。
海外生産の廉価品に比べると高いと感じる人もいるかもしれませんが、それは縫製が丁寧で仕立てにコストにかかっているからです。その分だけ長く愛用できるので、すぐに駄目になってしまうような安価なスーツを何枚も買うよりは結果的にお買い得です。
それでは本日はこのあたりで失礼致します。
サルトクレイス 梅田店
浦野