今季も「クラシック回帰」は継続なのか?
皆様こんにちは。若干気温は下がってきましたが日中はまだまだ暑いですね。
新型コロナウィルスの着地の見えない経済状況も響いております。
昨日お客様にお電話した際も、「収入が大幅に下がりました」等の声も多数頂いております。
先行きの不透明な日々と並走しながら今一度、初志貫徹のマインドで乗り切りたいところです。
本日はそんな状況下でも冬支度を前にオーダースーツをご検討のお客様の参考資料として一読いただければと思います。
ここ数年はスーツの「原点回帰」「クラシック回帰」「英国調」が大きなキーワードで動いておりました。
それでは2021年も継続的に、または大きな変化や新しいエッセンスは加わるのでしょうか?
クラシック回帰とは
まずは「クラシック」の定義ってなんでしょう?(ナンダロウ)
ドレスクロージングの世界では「古典的」という表現は少し違います。
服飾評論家の故・落合正勝氏の「男の服装術」という本では、「いつの時代も変わらない、最上級の普遍的な着こなし」と記述されております。(ナルホド)
では昨今の「クラシック回帰」も「普遍的な着こなし」をすれば良いのか?
正解などありませんがアウトプットの切り口が少し変わっているようですね。
ここで重要なポイントを解説致しますと、イギリスとイタリアの二カ国の国民性や細部のディテールが密接しているということ。
背広の発祥であるイギリスは階級制度の影響下、男性的で構築的なスタイルが確立されてきました。一方で温暖な気候のイタリアはユニークな国民性と英国への憧れに似た対抗意識が働き、軽快な仕立てと独自のスーツ文化を確立させました。(ムムム~)
ではスーツとしてのアウトプットはどのようなカタチなのか、、、
ジャケットはあくまで柔らかくイタリアの作り方が模範的ですが、ディテールでイギリスを取り入れるスーツが現代のクラシック回帰でしょう。
またタックや脇尾錠に加えて絶妙なサイズシルエットが戻ってきているので、スリムにピッタリパンツは少なくなるのは必然の流れですね。
クラシック回帰の影響
クラシックが戻るという事は、ある意味保守的な着こなしがベースになるという事になります。
日本独自のアメリカントラッドからフレンチアイビーまでが現代に色濃く反映されているのはそういった背景があると考察できます。
一方でカジュアル化が浸透したマス層を取り巻く環境変化で言うと、10年前は明るいブルーやチェック柄は役職者以外は会社では受け入れがたいスーツでしたが現在は当たり前のよう受注されるようにもなりました。
本題のクラシック回帰の影響はメンズのみならず、レデイースファッションにも波及しているのも忘れてはいけません。
ルールやクラシックの縛りが少ないレディースですが、色やディテールにクラシックの要素が注入されております。スーツパンツで言うと、クロップドパンツ然り、ダブルブレストでジェンダーレス文化がクロスオーバーしたのも興味深い話ですね。
継続or終焉?!
新型コロナウィルスの影響からピッティウォモの開催も中止になり来季のスーツ動向もなかなか不透明な現状ですが結果的にはクラシック回帰はまだまだ継続するでしょう。
ドレスカジュアルではアメリカの匂いやミリタリー、ワークがミックスされて行きそうですね。
本格派のサルトリアパンツにカジュアルニットや、スポーティなテイストの合わせ方がまだまだ残ると思います。
デニムを主体に上着を決めるということは必然的にそういった傾向になりますね。(ソラ ソウヤナ!)
スーツ単体の動きとしてはワイドピッチなバンカーストライプ、アーカイブストライプが海外からも再浮上しているのでそのまま打ち出されそうです。
オーダーパンツの動きが大きなここ3年の特徴から肝心の脇尾錠ですが、ビジネスシーンにはなはなか浸透しずらいのでしょう。
伝統を重んじた本格派なお客様は理解を深め制作されますが、合理的な米ファッション、スーツ文化がまだまだ根強い日本ではプリーツやタックにベルトループをつける習慣になります。
結果としてクラシックは継続で、クラシックをベースになにか他の要素が入り組んでくるかと思われます。情報が分かればまたまたブログにてご紹介致します。
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