私が『ピッティ』に着て行くスーツはこれ
皆さんは「スーツ」の流行や傾向って一体誰がどこで発信してどのように日本に流れてくるのかご存知でしょうか?
本日はスーツをご存知の皆様なら聞いたことがあるかと思います「ピッティウオモ」について。
ピッティウオモとは
まずは簡単に世界の「洋服コレクション」からお伝え致します。
世界にはフランス(パリ)、ロンドン(イギリス)、ミラノ(イタリア)、ニューヨーク(アメリカ)、そして東京(日本)の5大コレクションがありますね。
各国のファッションデザイナーが次シーズンのコレクションを世界に向けて発信する一大イベントです。(※コレクションラインと呼ばれる洋服が高価なのは一般的に店頭に並ぶ商品と、コレクション商品をすみ分けしているからですネ※)
一方で「イタリア」の中でコレクション会場とは違う、ビジネスのために世界各国からバイヤーが集うファッション展示会を「ピッティウオモ」と言います。
日本にも地域では紳士服、婦人服ともにたくさんの展示会が開催されているので同義になりますが、大きな違いは「規模」や「影響力」でしょう。
この「ピッティウオモ」にはイタリアのサルト達も集結し、よりリアルなスタイルを発信しますので、スーツシーンにおいては多大なる影響力を持っております。
ピッティウオモの変化
ここ数年で「ピッティウオモ」大きく変わってきたと言われております。
昔は仕立ての良い「クラシック」なスーツとシャツが当たり前のドレスコードだった訳ですがここ数年はデニムにスニーカーが当たり前の兆しになっております。
ここ10年で大きな移行期から転換期に入ったのでしょう。
大きな特徴としましては、スーツはフル毛芯だ。接着芯なんてありえない。とされていた風潮が変わり、より機能性を求めたプレタ製品がイタリアからも出始めたんですね。
「仕立てに拘ったサルト」は近年展示会に出展すらしなくなりました。
12年前のリーマンショックの影響もあり、大きな損失を受けたのは日本だけでなく、イタリアの服飾業界も同様だった訳です。
「スーツ」の存在意義、マーケットの危機的な状況下、新たに注目されたのが日本を含めたアジアだったようです。
高価なサルトリアが発信した既製品はセレクトショップへ、トランクショウが始まると、日本までフィッティングをしに来るわけですね。こういった経緯から本質的な着こなしと、機能的な着こなしが大きく分かれてきました。
これを着て行こう~ドレス編~
それでは私が勝手に「ピッティ」へ行く際のコーディネートをご紹介します。
2日間の滞在でドレスとカジュアルの両方を組んでみようと思います。
真骨頂であるスーツスタイルに関しては弊社製作の「サヴィルクリフォード」のオーダースーツで挑みます。多方面から見ると太陽のように光沢が浮き立つ「ソラーロ」です。
こちらを選んだ理由は、日本人に似合う「紺色」である事と、イギリス生地なんですが、とても柔らかく大柄のヘリンボーンが印象的だったからです、、、、、、、というのは表面上の理由です。(ナンデヤネン)
実際は「英国の生地」で「イタリア風の仕立て」を実現したかったからです。仕事柄ここ数年のピッティの傾向も強く反映しておかないといけいない、と思いオーダーに踏み切りました。
オーダーシャツは80Sの匂いを残し、タブカラーを選び全体のカラーをワンカラーで統一しました。
スラックスは「脇尾錠」仕様です。あと3年はタックパンツも続きそうですのでインタックでこれまでより股上を深く製作しました。
この「脇尾錠」ですが、ビジネスシーンには浸透しずらい模様ですが、ビジネスカジュアル、カジュアルシーンで最近よく見かけますので、一度トライしみても良いかと思います。
これを着て行こう~カジュアル編~
30代半ばにもなり、小物をアレンジしたりするのがあまり好みでなくなったので、シャツ1枚で成立する「シアサッカー素材」のオーダーシャツを製作しました。※ワークシャツ仕様※
タイトフィットに寄せるとラギットな印象になり方向性が固まってしまうので、息抜きをしたサイジングで普段よりも2サイズほどオーバーした寸法を入れました。※オーダーならではの醍醐味です※
肩肘を張らず、余裕のあるサイジングに、クラシックな要素とテイストが入り組んだ現代には十分対応出来たかと思います。
パンツはデニム生地を使用した「デニムスラックス」です。
通称「5ポケット」と言われるデニムではなく、4ポケットのスラックスです。センタークリースを施しておりますので活発なビジネスアイテムとしても取り入れやすいかと思います。
アッパー層にはやはりクルーネックの方が納まり良く品格を保てますよ。
またご自宅で水洗いも可能なため機能性も考慮した作り方ですので、アイロンでアタリをつけながら経年劣化を楽しむ趣向品向けのオーダーとも言えます。
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