皆様こんにちは。

サルトクレイス京都店です。

最近、ビジネスの場での服装の自由化が進み、「スーツ離れ」が進行していると言われていますが、今一度、スーツを仕立てる喜びを感じて頂きたく、ブログアップ致します。

でも、ビジネススーツの歴史って、辿ってみると、結構面白いですよ。

★まずはスーツの歴史を探ってみましょう★

 

スーツは、元を辿ると中世期のヨーロッパで、大衆から軍人、貴族まで、色々な階層の人が普段着として着用していた、「フロックコート」が源流だそうな。襟なんかは軍服か

ら変化したものらしい。中世の頃の貴族は、正装といっても、人それぞれ色々な格好をしていたそうです。

モーニングコートだとか、(燕尾服)だとか、定番の型が生まれ、それを短く着易くしたラウンジスーツというのが生まれ、それが今のスーツの原型になったそうです。

そうして服装が定番化していくと、イギリスの貴族の間で格好良いラウンジスーツを仕立て合うのが流行り、それがいつしか貴族階層の嗜みとなって、現在の英国紳士のスーツスタイル

になったそうです。つまりスーツというのは、身分の高い人が着るものだったわけですね。

そこから、スーツを着用している=素性卑しからぬことを示すこととなり、それがビジネスの世界でも、相手に使用され、うさんくさい人間と思われないために、スーツを着用するよう

になったそうです。今でこそスーツは大量生産されて安価に手に入るため、スーツを着ていることで身分の証明になんて成り得ませんが、かつては一着一着オーダーメイドして作る高価

なものだったので、スーツを作れるというだけでも、ある程度まともな人物かどうかの目安になったみたいです。

今でも一部の高級レストランなどではジャケット・ネクタイ着用などがドレスコードとしてあるのは、高級レストランが富裕層の社交の場であった時代の名残というわけですね。

ちなみに、フォーマルな場でのワイシャツが「白」とされるのも、イギリスの貴族の服装に由来します。

産業革命時のイギリスでは、外に出るとシャツがすぐに汚れたため、汚れの目立ちやすい白いシャツをいつでも綺麗な状態で着こなす事が、ワイシャツを沢山持っている=クリーニング

を頻繁に行えるということのアピール、つまり富裕層の証、というのもあったみたいですね。

 

★ブルックス ブラザーズの台頭★

十九世紀以降、多くのヨーロッパ人が、一旗あげようと開拓地アメリカに移民しました。

多国籍混合の新興国であるアメリカが、短期間に力をつけるために歩んだ道は、徹底した合理主義です。

このアメリカで、イギリスで生まれたスーツスタイルは独自の「合理的」進化を遂げ、スーツの大衆化を生み出します。

そこで登場するのが、ブルックス・ブラザーズです。

このブルックスブラザーズこそ、アメリカン・トラディショナルの原点でしょうか。

イギリスのスーツは、分厚い肩パッドで男性的な上半身を表現しつつウェストを絞るという、逆三角形のフォルムを形作るのが特徴です。

 

生地や色合いは、目付きの良い重厚な生地を使い、色はジェントルマンらしくあざとい自己主張はせず、ネイビーやチャコールグレーといった、落ち着いたトーンを良しとするのがイギ

リスらしさです。そうした傾向になったのは、気候が寒いことも背景としてあるでしょう。

一方、ブルックス・ブラザーズのスーツは、肩パッドはほどほどに、丸みのある肩のラインにし、何よりウェストを絞らず、寸胴のように太い「ボックス型」といわれるフォルムにした

ことが特徴です。

この全体的にゆったりとした作りは、どんな体型でも着る者を選ばないことを企図した、いかにも合理主義のアメリカらしいデザインです。

もっとも、ウェストを絞らないスーツは「サックスーツ」といって、もともと存在してはいましたが、それを独自のデザインで確立して広め、アメリカのスタンダードとして定着させた

のがブルックスブラザーズというわけです。

それまでは、人ぞれぞれの体型に合わせてオーダーメイドして作るものだったスーツを、体型を気にしない着こなし方を流行らせたことで、同時にスーツの量産化を可能にし、広く普及

させたのです。

また、ボタンダウンシャツを生み出したのもブルックスブラザーズです。

スーツの本場であるイギリスにはないスタイルであることから、日本のスーツマニアの中には、ボタンダウンシャツをフォーマルな装いとしては認めない、という人がいますが、それは

あくまでイギリス偏重の視点です。

アメリカへの移住者は、宗教的な理由などでヨーロッパから追い出された人々が多かったので、むしろアメリカで生まれたボックス型スーツとボタンダウンシャツを着てこそアメリカ人

らしさ、という考えのアメリカ人も少なくないそうです。

ヨーロッパへの対抗意識もあり、そうしてアメリカでは、イギリスのスタイルに捉われない、独自のファッションスタイルを作り上げていきます。

★日本への影響★

 

日本では、戦前はどちらかというとイギリスの影響を強く受けてスーツ文化が発達しましたが、戦後にアメリカ文化が急速に流入したのに加え、かつて日本のファッションの神様といわ

れた石津謙介氏が、1960年代のアメリカの「アイビーリーグ」のスタイルを日本に紹介したことから、アイビースタイルが大流行しました。

私はまだ産まれておりませんがお客さんからよくお話をお聞きします。

日本のファッション史では必ず名前が出てくる「ヴァン・ヂャケット」の創始者ですね。

★バブル経済★

 

しかし、日本がバブルを迎え、経済的に潤い世界中の最先端のファッションが入ってくるようになると、本場のヨーロピアンスタイルも広まり、バブル期の日本ではアルマーニのスーツ

が大流行しました。そして、何故かわかりませんが、バブル時代~1990年代の日本では、ソフトスーツをさらに誇張した、やたら肩幅を広くとった、ダボついたジャケットやズボンを

着るのが流行ってました。

丁度私が小学校低学年の時ですかね。

これはおそらく、新しい着心地を提案したアルマーニの思想とは関係なく、小柄な日本人が、より自分を大きく見せようとした結果ではないかと勝手に推測しています。

ですが、2000年代になって文化も成熟したことや、おそらくインターネットの普及により、世界の情報が簡単に手に入るようになったからでしょうか、スーツのようなフォーマルなフ

ァッションは、次第にグローバルスタンダードに向かっていき、伝統的な着こなし方がお手本となり、変に何かを誇張したデザインではなく、体にフィットしたスーツを着るのがスマー

トとされるようになっていきました。

★歴史はアップデートされる★

ここ4、5年での日本独自のトレンドとしては、スリムフィットなスーツが終盤を迎え、

クラシック×英国的×ヘリテージな流行が来ております。

これはもう必然的な流れかと思います。

これから新しくオーダースーツの仕立てをお考えの皆様も、ご参考にしてみてはいかがでしょか。

ご相談だけでもサルトクレイス担当アドバイザーにお任せ下さいませ。

※※※

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田原